大人ニキビと化粧品1

化粧品に関する誤解

現在はメーカーの規模を問わず、一部を除いた日本の化粧品の開発・製造技術は世界トップレベルにあります。


しかし、大人ニキビ用・ニキビ用・敏感肌用などの肌トラブルの名を冠した商品が増え続き、溢れ返っているにもかかわらず、大人ニキビもニキビ・ニキビ跡・赤ら顔・敏感肌なども、肌トラブルは減少するどころか増加傾向にあります。


世界トップレベルの日本メーカーですが、化粧品・医薬部外品の製造・販売には、厚生労働省が管轄する「薬事法」に従う必要があります。薬事法上、化粧品・医薬部外品は「作用が緩和なもの」と規定されています(薬事法第2条2項、第2条3項)。


つまり、化粧品、医薬部外品は、ともに医薬品とは一線を引かれており、どれほど高機能をうたっていても、人体への作用は緩和で無ければならないのです。


医薬品は、その薬理作用、つまり効果効能は副作用と表裏一体です。それに対し化粧品は作用は緩和であるかわりに副作用の心配はありません。


これは日本の化粧品の安全性維持と同時にジレンマです。

そして消費者の「要望」と、メーカーから提供・販売する「物」が、相容れない状況があります。


それが「肌トラブル」です。メーカーは消費者のニーズに応える商品を研究開発し、市場に投入しますが、「トラブル肌」ということになると「薬事法」がある以上、その枠内での商品の製造販売が必要です。


仮に、つけるだけで肌トラブルを解消するような商品があれば、それは化粧品にも医薬部外品にも属さないものです。そのような効能がある場合、化粧品・医薬部外品としての厚生労働省の認可はとれません。


しかし、消費者の立場では、化粧品に過剰な期待をもつ傾向があります。

「○○化粧水で、大人ニキビが無くなった」「○○石鹸で、大人ニキビが治った」等々の情報を、メディア、くちコミから得、やがてその噂だけが一人歩きを始めていった結果です。


この話一つ一つは否定しせんが、仮に事実であっても、それで解消されるトラブルなら、そのレベルであったというだけで、限度をこえた大人ニキビや敏感肌には成す術も無いものです。


このことは肌トラブルに悩んで色々試してきたあなた自身、よくご存知だと思います。


“限度をこえたトラブル肌を、作用が緩和な化粧品・医薬部外品の使用だけで解消しようとする”


これで「うまくいかない」というケースが多いことは、何も不思議なことではありません。